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2008年2月 4日 (月) Fragmentos puentefuente


     84歳になったアントニ・タピエスの最新作品の展覧会が、バルセロナのトニ・タピエス・ギャラリーで3月末まで行われている。2月の末からは、ロンドンのWADDIGTONギャラリーで、また5月にはチューリッヒのLELONG ギャラリーでも行われる。
  • OBRA RECENT ANTONI TÀPIES  Galería Toni Tàpies 2008131日から328日まで Consell de Cent 282  08007 Barcelona+34.93.4876402
  • Antoni Tàpies - Recent Work
    27 Feb—29 Mar 2008
    Waddington Galleries  11 Cork Street, London W1S 3LT  Tel +44 (0)20 7851 2200  Fax +44 (0)20 7734 4146
  • GALERIE LELONG ZURICH
    Predigerplatz 10- 12 8001 Zürich Schweiz tel. 41 0 44 2511120
タピエスの最新作品の展覧会の新聞記事から。
絵画制作について
「説 明するにはとても難しいことで、感じなければならないということで、知力という方法で分かりえないことです。僕にとってはこの宇宙にあるものすべてが同じ で、だから、これはこうであるんだと頭から決め込んだり、一部のことが全体であるとか、ひとつの考え方が真実であるとか唯一の正しいことだとか言おうとし たりするならば、ただちにすべてがその逆となってしまうことをもたらしたりするからです。」
「い まは書くこともしないし、他のこともせず、ただ絵を描くことだけに専念してます。それだけで充分です。出来る限り絵画に集中したいというのは、絵を描くこ とそのものが僕の励みになっているからです。いつものことですが、新しい一枚の絵を描く前に、過去に描いた作品や、一番最後に制作したものを見ることで、 その続きをすることが出来ます。というのは素材から湧き上がってくる魔法みたいなものを、作品の中に出来る限りに吹き込む力を作品自体の中に見つけるとい うことです。」 絵を制作するに当たって、構想をスケッチしたものを用意しているものの、「制作の最後の段階になると勘に任せます。僕はいつもこれでいい だろうかと疑うので、絵を描いているときには苦しみますが、でもこういったことは知的な説明は出来なくて、絵をみてこれでいいんだという印象を感じたり、 物質的にわかるものです。」
「そうですね、僕の制作活動は、時代の波の逆にむかっていたかもしれません、このような様相の芸術作品は見下されてる風潮がありました。長い間、怒涛のようなコンセプチュアル志向芸術のことを思い出すだけでも分かることなのですが...」
マドリードとバルセローナの美術館の変貌について
「他 の事と同様なのです。興味深いこともありますし、過剰だなと感じることもあります。過剰についてですが、ある一定の風潮を押し付けることは危険なことで す。」 「多すぎるまでの入場者数をあげようとか、また利益を上げようとすることに関心がありすぎかもしれません。僕だって人々が僕の作品を見てくれるの はうれしいです。だから展覧会をします。もしかしたら僕の絵が誰かのために何かためになるのか、何かの役立てになれたらという希望みたいなものをもてるか らです。ただそれは、やりすぎることなしにです。」
バルセロナ現代美術館Macbaの館長だったマヌエル・ボルハ・ビジャル氏が、つい何日か前にレイナ・ソフィア美術館の新館長に就任した。このビジャル館長は、アントニ・タピエス財団の展覧会の企画をしていたこともあり、タピエスとは長い付き合いになる。
「彼は職業意識の強い人であり、彼の見解を守らなければならない状態になったときのために必要とする経験も豊富で、それが彼の臨機応変の才となったと思います。ただレイナ・ソフィア美術館が、このような変革が必要だったのか、ということは僕にはわかりません。僕はこういったことには全く関わっていないからな のかもしれません。」
ビジェル館長がいなくなったMacbaでも、レイナ・ソフィア美術館に続き、現在新しい館長を国際公募中で、そのことについてもタピエスに聞いていた。
「新しい風を吹き込んだり、多少の革新はよいことだと思います。変化することはいつも建設的なことだと思いますね。」
何年か前から視力がかなり落ち、めがねと虫眼鏡でいつもの愛読書を繰り返し読んでいる。
「ゆっくり読むことを強いられるということなので、さして困ることはないです。その方が気分はいいものです。」でも聴覚も衰えているので、音楽を聴けないことは 残念に思っている。「補聴器というものがあるが、でももともとの聴覚と同じようには聞こえないから楽しめないし...しかしね、記憶の中の音楽を何回も聴いています。僕の頭の中で響いてるんです。」

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